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投資

日銀が要となり注目されるJ-REITとは。人口動態、路線価、金利の面からも考える。

投稿日:2017年7月9日 更新日:

東京 夜景 不動産

J-REITのポイント

魅力的な投資対象としてJ-REITが挙げられることが多い。
その魅力とは何なのか。

J-REITとはという優しすぎる題材は乱立するほど情報があるれているのでここでは触れません。
かなり便利なサイトがあるのでこちらも併せてご覧いただければと思います。
http://www.japan-reit.com/

 

ここでは投資対象としての魅力をポイントだけまとめます。
・日本株を買うように9時から15時の取引時間に売買できること

・J-REIT全体の時価増額で11兆7866億円あり、市場規模も確立されていること

・不動産は言い値の世界。市場を通すことによって適正価額が形成されること

・個人では購入できないような大型優良物件を区分所有できているような仕組みを持てること

・株と違い、運営会社が潰れたとしても現物不動産は残るので、券面がゼロになる可能性が低いこと

・株式配当は上下しやすい企業業績の影響を受けるが、REITは配当原資が賃料収入なので安定しやすいこと

・配当を90%以上分配することなど一定の条件を満たすと運営会社の法人税が非課税になるため、高配当になりやすいこと

・格付が付与される仕組みもあるため、投資判断材料があること (無格付もあるので注意)

・日銀が年間900億円ずつJ-REITを買うと決まっていること

・日銀のマイナス金利政策だからこそ有利な投資環境であること

 

特に重要な2つのポイント

特に重要なポイントは2点だと考えています。

上記の箇条書きポイントの最後の2つです。

両方とも日本銀行主導で国策で動いていることなので途中で「気が変わったからやめた」とか「予算が足りないので今年は減額します」なんてことはありえないのです。

ポイントは
・900億円の買い入れは予算であり必ず買ってくること
・マイナス金利政策も公表なく終了させることはありえないこと

です。

日本銀行では定期的に金融政策決定会合を開催しており、そこでの発表なくして取り決めごとを開始・中止・変更することはありえません。
また、傾向として「そろそろ金融政策をかえてくるのではないか、、、」というのは経済ニュースを追っていれば話題に上がってくることなので、知らぬ間に突然というケースは少ない。もちろんサプライズ的発表もありえてしまうのですので一応注意を。

日銀が900億円ずつ毎年買い入れするというのは需給バランスからして非常にありがたい政策であり、評価額の下振れリスクが小さくなる。

 

ただし、一定の条件があります。

・AA格相当以上であること(AA-格含む)
・取引所で売買成立した日数が200日以上あり、なおかつ年間売買類型学が200億円以上であること
・新規上場してから200営業日以上経過していること

・買入価格は原則として取引所での売買高加重平均価格
→VWAP取引を使っていると思われますが、大抵後場に上昇することが多い。取引の細かな手法は謎です

・各銘柄の発行残高の10%以内とする

などなど。日銀のHPに細かな条件が出てますが、上記の点を抑えればいいと思います。

 

マイナス金利政策という面から有利な点を考えます。

・10年国債利回りと比較されることが多く、投資利回りが安定して高いJ-REITが魅力的に映ること

・J-REIT自体、借入が多いため資金調達コストが低下するメリットがあること

などが挙げられる。

現在はやや元気のないように見えるJ-REIT市場だが魅力的なポイントは多く、日銀が後押ししているとも言えます。

 

よくある懸念点、疑問点

 

1.金利が上がったらよくないのでは?

A.基本的によくないですが、なぜ金利が上がっているかという点がポイントです。

上記のように金利が下がることにメリットがあります。逆に金利が上がることによってコスト増加になることが考えられます。しかし、現在米国で金利上昇局面を迎えていますが、REIT市場は比較的安定しています。なぜかというと米国市場の景況感がよくなってきているので金利を上げているからです。
過去の米国金利上昇局面で米国REITは上昇しています。金利負担増加以上に好景気による不動産価格の上昇や賃料の上昇があったからです。
日本では金利上昇は金融政策上、今のところ考えなくてもいいポイントではありますが、好景気からの金利上昇であれば大きな心配はいらないのではないかと想定します。

 

2.人口減少、少子高齢化が問題視される日本の不動産は大丈夫?

A.不動産とひとくくりにしてしまうと悲観的ですが、REITは別物です。

REITの物件の内訳を見てみると非常に優良物件が多いことがわかると思います。近所にあるようなボロアパートやシャッター街商店街の物件が組込まれていることはありません。銘柄によっては東京圏内の駅徒歩5分以内のオフィスビルに特化するといったようなコンセプトのものなどもあります。優良物件は空き待ちされます。アパートで空きが出たら埋めるのにひと苦労という物件と同じ扱いをするのはナンセンスです。
また2017年7月5日に総務省から発表された人口動態調査では30万人ほど人口が減ったという内容が先行していました。しかし内訳を見てみると、東京、沖縄、千葉、埼玉、愛知、神奈川の1都5県は人口増加となっております。REITは大抵東京を中心とした銘柄が多くなっております。
そして、REITで重視される空室率。都心5区のオフィスビルの空室率は3%台と過去の最良時とほぼ同等とキープしており、かつここ4年ほどは賃料も上昇傾向にあります。
以前記事にもしました、路線価から見た場合でも一部の土地ではバブル時を上回る相場状況となっているという発表もあります。

 

まとめ!

 

・J-REITは魅力的な投資対象といえよう
・配当収入をメインと考え中長期投資で考えるとよいでしょう
・日銀が買っている、マイナス金利であるというメリットを投資に活かせる

投資は自己判断で。ということで個別銘柄を投資推奨することはしませんが、
皆様のご参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

 

(カネコ)

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