今注目が集まる一帯一路とは
2014年11月のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議で中国・習近平総書記によって唱えられた経済圏構想です。
一帯とは、シルクロード経済ベルト。
中国、東南アジア → ユーラシア大陸 → 欧州 を指します。
一路とは、21世紀の海上シルクロード。
南シナ海 → インド洋 → 欧州
南シナ海 → 南太平洋 を指します。
またこの一帯一路構想をバックアップするのが
中国を中心としたAIIB(アジアインフラ投資銀行)です。
AIIBは資本金が1000億ドル。
格付はムーディーズ、S&P、フィッチの3社よりAAAの最高格付を取得しております。
この一帯一路構想の基本理念として、
・平和協力
・解放と包容
・相互理解
・相互利益
を目的としております。
一帯一路の存在感
世界には様々な経済圏が存在します。
例えば
EU(欧州連合)
加盟国は28国で世界のGDPシェア22%を誇ります。
人口は5.1億人。
統一通貨ユーロを使い、投資や人の移動、域内貿易の自由化を図っております。
NFTA(北米自由貿易協定)
加盟国はアメリカ、カナダ、メキシコで世界のGDPシェア28%を誇ります。
人口は4.8億人。
域内貿易の関税の完全撤廃が最大の特徴と言えます。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)
加盟国は11か国で世界のGDPシェア14%となります。
人口は4.9億人。
自由貿易と関税の撤廃を目的としております。
そして
一帯一路
対象地域66か国、100か国以上が賛同しております。
人口は46億人!
世界GDPのシェアは31%
基本理念に基づき、貿易、投資、人の移動はアイ他国を尊重した上で自由としてます。
このようにボリュームからして注目もできるほか、
EUはイギリスの離脱
TPPはアメリカの離脱
ということもあり弱体化していくことも注目度が上がる要因となっております。
AIIBによるプロジェクトは進む
一帯一路構想で支援される国はAIIB によるインフラ投資が今後進んでいくことが期待できます。
インド
プロジェクト規模19.79億米ドル 交通網や電力整備
バングラデシュ
プロジェクト規模7.15億米ドル 配電網や天然ガス生産・輸送施設整備
ミャンマー
プロジェクト規模3.04億米ドル 発電所建設
タジキスタン
プロジェクト規模4.56億米ドル 高速道路建設や水力発電
ジョージア
プロジェクト規模3.15億米ドル 交通網整備
インドネシア
プロジェクト規模24.49億米ドル 都市再開発、ダム整備
オマーン
プロジェクト規模4.13億米ドル 鉄道整備計画や港湾整備事業
パキスタン
プロジェクト規模10.97億米ドル 高速道路建設や水力発電所の拡張
アゼルバイジャン
プロジェクト規模86億米ドル 天然ガスパイプライン
各国これらのインフラプロジェクトにより、
更なる成長が見込めると思われます。
一帯一路へ投資するにあたり
ここまで、いかに一帯一路構想の経済規模が大きく、
成長のポテンシャルがあることを紹介いたしましたが、
では投資はできるのでしょうか。
日本株で例えるならばコマツがいいのではないかと思います。
一帯一路構想においてのリーダーは中国です。その中国で強みがあり、今回のインフラ投資に関しては
「建機」が必ず必要になってくることと考えるからです。
中国株に関しては一部、香港市場を通じて買えるものがありますが、
日本人の立場としては個別株で世界各国へ、特にアジア圏内は特に困難だと思われます。
更に言うと投信やETFなどでタイ、インドネシアのような国へ個別投資することも可能ですが、
相当な分散をせねばならないことや管理の難しさも伴います。
そこで、上記の一帯一路構想をコンセプトとした商品が2017年9月よりスタートしております。
日興アセットマネジメントによる
新シルクロード経済圏ファンド です。
ポートフォリオを確認してみます。
国別でいうと
中国、インド、イスラエル、トルコ、香港、インドネシア、ポーランド、タイ、韓国、他
通貨別でいうと
中国元、香港ドル、米ドル、インドルピー、トルコリラ、インドネシアルピア、ポーランドズロチ、他
となっていることを踏まえて、米国上場しているエマージング諸国の株も入っていることも分かりますが、
かなり現地通貨建ての株式も買いに行っているという印象も受けます。
類似ファンドもおそらくないのではないかと思います。
非常に珍しいです。
このような商品の場合、かなり変動幅が大きくなることも考えられます。
投資できる資産をすべてこれ一本にかけるのは個人的には避けた方がいいのではないかと思います。
また、できるかどうかはわかりませんが、積立投資で時間分散することもお勧めします。
というか私がもし買うとしたら積立投資をします。一度にまとめて買うことはしません。
最後に
今回、記事作成にあたり日興証券のHPを拝見させていただきました。
当記事は投資判断を促すものではありません。
投資に関しては自己判断でお願い致します。
また当方は日興証券のまわしものではありません笑
ありがとうございました。
(タクマ)